- ここでは、カラオケ持参でRec.(レコーディング)をする場合のことについて説明します。
- 生演奏を含んだ通常のRec.の方は、特に読む必要はありません。
- Rec.に用いるカラオケは、お客様自身で事前に準備願います。
1.Rec.に適したカラオケですか?
【音 質】
カラオケ音源として使うのは、次の4種類。音質は、高い順から1.→4.となりま
す。Rec.では2.WAVEが主流ですが、ネットでカラオケをダウンロードした場合は4.MP3
が使われます。
- DSD、1ビット
- WAVE ファイル
- 音声CD(スタジオで読取変換)
- MP3ファイル
【メロディガイド】
メロディガイドの付いたカラオケは、録音するときの助けになることは確かですが、 仕上げたCD を聴くとガイドの音が歌声の邪魔になります。いかにもカラオケで歌いましたという感じで恰好が悪いです。もし、できるなら、録音用としてメロディガイド付きカラオケを、仕上げ用にはメロディガイドなしを、つまり、2つ用意できればベストです。
しかし、市販のカラオケで2種類を準備できるものは、少ないでしょうね。となれば、やはりメロディガイドなしで唄うように努力した方が良いです。
【音 圧~マスタリング済~】
マスタリング済みのCD カラオケをなるべく使わないように。 カラオケをカッコよく聴かせたいためにマスタリングして持って来られる方がいますが、音圧を上げ過ぎている場合、カラオケのヴォリュームを下げてミックスしても、マスタリングで音がパツンパツンになり、音が悪くなります。
2.カラオケCD-Rの再利用は?
【カラオケのコピーを繰り返すと】
カラオケ歌って楽しむための物。Rec.に利用できないわけではありませんが、1度きりでしょうね。「CD-Rはデジタル処理で、音質が劣化しないんだろ?」などと、過信している人がまだいます。それには誤解があります。
- CD-Rの音質は、データで保存しているという点では劣化はしません。CD-Rそのものの表面についても、昔のレコード盤のような溝の埃、カビ、変形、傷に気を配る必要が少なくなっています。
- CDやCD-Rの音をPCなどに読取る際、音楽ソフトで扱う音声の形式に変換(復元)するのですが、その時の音質は劣化します。それは、再生機器の電源、レーザーの誤差、回転の誤差、PC内での音楽ソフトデータの処理、保存フォーマットの違いが影響するものです。
- PCからCD-Rへ書込む際、その音質は劣化します。原因は読取りの際と同じです。
- この問題を解消するには、
- ダビングに良い機材を使う。
- ダビングを繰り返さない。
- 高品質のCD-Rを使う。
- 劣化を見越してできるだけレコーディングの質を上げる。
- 1項で説明した通り、マスタリング済みのカラオケをなるべく使わない。
【例えばの話】
ここで、あなたが、オリジナル曲を製作し、歌入りとカラオケをセットで発表したとしましょう。
- ファンのAさんが、あなたのカラオケを使って、何処かでRec.したとします。ここまではギリギリ使えるかも。そして、AさんもCD-Rにまとめました。カラオケとAさんの声のミックスを作りマスタリング。カラオケにしてみればニ重にマスタリングをしたことになります。そしてカラオケ(声無し)もCD-Rにつけたいのですが、質感が歌有りと合わないので、これもマスタリングすることにしました。
- その後、Aさんの友達が、私もやりたいと言い、AさんのCD-Rのカラオケを使ってRec.しました。ここで、カラオケは3重にマスタリングされることになるわけです。
- 今でこそ少ないですが、以前は、ものすごいノイズや歪んだカラオケを持参するお客様がいました。
- テクノロジーは時代とともに進化し、使い勝手が良すぎて、消費者(ユーザー)は、機器と折り合いをつけながら使うということを忘れつつあります。内部的な作りこみなど考えなくなり、機器を作る人と使う人の間で、テクノロジーに対する知識・意識がどんどん乖離していくのです。