1. 物差しの目盛りは細かいほど良い。
一般に、ミックスやマスタリングは、なるべく癖のないモニターを使い、なるべく響きの無い部屋で調整した方が仕上がりは良くなります。周りの環境に影響されずに、なるべく音源の音だけを聴くためです。残響が多すぎたり、大音量で聴くなど、大雑把な環境では調整が難しくなります。 1cm刻みの物差しで、1mmを計ることは無理。目分量で推測するしかないのと同じです。良いモニターで調整した曲は、安いスピーカで聴いてもそれなりに聴こえます。
ただ聴いて楽しむために置かれた部屋のオーディオスピーカーで調整した曲は、低音や高温の出ている加減(程度)がわからないので、良くもなるし悪くもなります。得てして悪い方向。
2. スタジオと家での違和感
もし家に帰って仕上がったCDを聴き、低音があと薄皮一枚足りないと感じ、低音を上げてくれと電話で言ってきても、本当は薄皮2枚かも知れないし、そのままで良いのかも知れません。もちろん部屋のスピーカーで確認は大事ですよ。それなりに聴こえることを確認するという意味で。あくまで参考です。
小さいPCスピーカーは低音と高音が削れて判断できません。コンポは部屋の大きさとスピーカーの距離、聴く位置で音が大きく変化して判
断できません。
3. ここでヘッドホンのススメ
モニターを家庭で準備するのは大変なので、良いヘッドフォンを手に入れることをお勧めします。 PCにつないでもコンポにつないでも、ある程度低音から高音まで再生してくれます。
ヘッドホンと再生機器本体(PC、コンポ)の組み合わせでもでも音は変わりますが、ちっちゃいPCスピーカーやコンポだけで判断するよりは、ヘッドホンを使った方が、まだわかりやすいです。
4. 持ち運びができる
家庭でもスタジオでも持ち歩けて基準になるヘッドフォンは、リスニング環境が十分でない人には大事です。レコーディングスタジオにマイヘッドフォンを持ち込んで歌い、演奏し、ミックス、マスタリングなど、一連の作業の中で判断に使うことができます。
また、ミックスマスタリングに立ち会えない場合でも、家庭でマイヘッドフォンで確認すれば少しも違うでしょう。←もちろん自宅のオーディオの高域、低域の音の癖は把握しておいた方がよいですが。
5. 値段
低音、高音を強調して気持ちよく聴かせるものは向いていません。DJ用と言うのは向かないと考えます。 フラットで粗探しができるヘッドフォンが必要です。予算1.5万~3万円ぐらいなら何とかなるみたいです。
6. 最後に
- クローズ型(密閉型)を購入してください。録音の時、ヘッドフォンから音が漏れると、その音が再びマイクに入り、音を濁してしまいます。
- ヘッドフォンと通常のスピーカーは、耳に対する方向、音の届き方が違います。「ヘッドフォンでこう聴こえるときは、スピーカーではこう聴こえるかも・・・。」という相関関係も肌感覚として持つようにしましょう。