Rec.(レコーディング)は活動家にとって一大イベント(発表、販売、成果、思い出)。とにかく記録に残るものです。ここでは、ヴォーカル、コーラス録りの際に、上手くできなかった場合の音程の修正についてお話しします。
1.音程を修正するソフト
- 音程のズレは、目的の音に対して上下半音程度なら、Rec.システム側で修正可能です。
- しかし、音程差が全音以上(1音以上)ある場合は、ロボットの様な声になってしまう場合もあり、程度を知りながら利用する必要があります。
- 音程の修正については、
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- 修正に険悪感を持たれている方には試してほしいです。
- 頼りすぎている方は、修正した音程を聴いて改善してみては?
2.ズレを直しますか?
2.1 ☓かなりずれている方
- 音程修正ソフトを利用できないレベルです。人に聴かせたくないなら、公開せず、自分の反省のための記録として保管を。ご自分で判断を。
- もし、発表したいのであれば、エンジニアに言葉で伝えてください。念のための意思確認です。エンジニアはヴォーカルの方の意思を尊重します。
2.2 △努力しているけれど
- 歌唱力を売りにする方なら厳しめに自己チェックを。
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- 悩むなら、 録り直しを。
- 録り直しが難しいなら音程修正ソフトを。
- 音程修正が嫌なら、エンジニアはそれを尊重します。
- 困るのは、上手く唄えたと思っているけれど、実はかなり音程がズレている方。
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- ライブでは、自分に暗示をかけてでも萎縮せずに堂々と唄って乗るべきです。
- 他方、CDはずっと残るものです。Rec.では、自分を振り返って音程を修正する習慣をつけましょう。
- 音程のズレは誰にでもあります。また、ズレは他人ほど気づくもの。唄が不得意でも聴く側としてなら敏感な方もいます。
- 指摘しづらいですが、お互い感情的にならず、誠実に向き合うしかありません。
- 何とか良くしたいのなら、
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- メロディガイドを聴きながら、少しでも安定した音程で録る。
- ここで音程修正ソフトを併用する。
- メロディガイドは、
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- お客さん自身で事前に準備するべき。当日、スタジオへ「ちょっとお願い」するような事ではありません。
- スタジオのシステムで読めるファイルの形式についても事前に打合せを。
- 自分の音程が外れていることが問題なのですから、、自分の声ではなく、楽器を利用してガイドを作成してください。
- 自宅のDAWに仮ミックスを読込み、それに合わせて打込みなどで作成。ガイドのトラックのみデータに書き出して持参すればよいでしょう。DAWがない方は友人を頼ってください。
【イタい動画】
- この動画はコメディであり、かなり誇張しています。
- この動画で言いたいのは、歌い手やプロデューサーに付き合ってエンジニアが苦労させられているケースがあるということ。それ以外はRec.技術的に誤解されてしまう点が多いので参考にしないように。
2.3 ○実力ありの方でも
- 特に言うことはありません。
- もし、ほんの少し、一部分だけ、直したいところがあるなら、使ってみても良いのでは?判断は、本人にお任せします。
3.余談ですが
- メジャーの方々が取材に答えるとき「今回のレコーディングでは、色々と冒険、実験ができた。」などと言っているのを見ると、格好良いですよね。しかしそれは、偶然ではなく、「スタッフを含めた周りの制作環境」と「本人の実力」に裏打ちされたものではないかと考えます。
- アドリブや追加のコーラスを録ってみたいという、気持ちは止められません。どんなレベルの方でもやってみるべきです。ただし、
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- キー、コード、スケールを少しでも学び、おかしなコーラスフレーズを作らないこと。
- 本番前の別の日に準備(試す)。
- メロディのガイド音源やガイドトラックを作っておく。人の声ではなく楽器の音が望ましい。
- コーラスは、フレーズの歌い終わりのタイミングにも気を使う。複数のメンバーがいるならなおさら。後で長さを切り揃えることは大変です。
- 録音できなかった場合は、音程修正を選択肢の一つに。
- それでも駄目なら採用を潔く諦める。
- アイディアを次回の作品にまわす。
- 最後に、これは期待しているだけのことですが、音程を修正された自分の声を聴くと、ヴォイストレーニングの先生の声では感じられない何かを得られるかもしれません(自分の声でお手本が聴ける)。