1. 生録派だが打込みも
- 私は個人的に作曲する際に、初期段階で打込みを活用している。いちいち生録(楽器、マイク、周辺機器)の準備をしなくて済むからだ。打込みの音色で不満な部分は想像力で補う(生ならこんな感じになるだろう・・・)。完璧には作り込まず、程々の状態でメンバーに聴いてもらっている。そして何度か意見交換を重ね、まとまったところで生で録り直す。これが自分にとっては効率の良い進め方。
- 打込み活用のもう1つの利点は、頭の中の魔法のミキサーだと気づかない音のぶつかり合いや、矛盾に気づくこと。バンドのリハーサルでは、言いづらかったり、全体を見渡せず気づかないこともあるはずだから。
- 打込みは整然とした音だが、ミックスするとなれば、かならず、生録と同様に調整が必要ということも忘れないように。
2. 打込みのジレンマ
打込みには「聴かせる目的」と「読ませる目的」の2通りがある。一方の目的に合わせれば、もう片方の目的のために修正が必要。
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聴かせる目的
- 本番として聴かせる打込みでは、人間的な生っぽさ(揺らぎ)が必要なので、微妙なズレを意図的に作り込む。
- しかし、これを譜面にすると、音楽ソフトは生真面目に音符を配置(表示)するので、音符が整然と並ばない。かなり読みづらい譜面になる。
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読ませる目的
- 読みやすい譜面にするには、整然としたタイミングと長さで音符を打込む必要がある。
- しかし、そうやって打込んだ音は生っぽくない(ロボットっぽい)。特にピアノ、ヴァイオリン類、管楽器類は それらしく聴こえない。
- もし、「聴かせる目的(作曲段階で打込んだデータ)」を譜面化するなら、必ず、音のタイミングや長さを整え直す作業が必要。
もし、将来的に譜面化や、カラオケ化を視野に入れているなら、前述のようなジレンマ(修正の手間)があったとしても、私は、初期段階で打込みを活用するするほうが良いと考えている。
3. データは財産
- 音楽の基本は生演奏と考えている虹音堂ですが、人材不足や、ハンディを補ったりする点で、打込みやカラオケはアリ。
- 打込みデータは大事な財産。将来的に譜面化や、カラオケ化を見越して着想段階(作曲)で打込みを活用すると、後々の手間が少し軽減できる。