Rec.でのトラック整理


1.トラック数


1.1 必要な音は何か?

  • ライブとは考え方を切り替えよう。
  • あなたのレコーディングに必要なトラック数は?
  • もちろん、トラック数を無限に増やせるわけではない。Rec.システムの性能との兼ね合いだ。
  • バンドにキーボーディストがいたとしよう。もし、ピアノとオルガンの音色で弾きたいとしても、同じトラックには録らない。音量も音質も違うからだ。通常、調整しやすいように別のトラックにする。
  • 他のパートについても同様。パートを「音色」や「役割」によってトラックを細かく分ける。例えば、以下のように・・・。

【例_必要なものは?】

【ドラム関連】

  • キック
  • スネア
  • ハイタム
  • ミドルタム
  • フロアタム
  • ハイハット
  • クラッシュA、B、ライド
  • チャイナ

シンバル類はトップマイク2本でまかなう場合も多い。

 

 【弦楽器関連】

  • ベース
    ラインまたはマイク
    あるいは両方
  • アコースティック
    ギター2本
  • クリーンカッティング
    ギター2本
  • クリーンアルペジオ
    ギター2本
  • 歪みギター2本
  • ギターソロ1本あるいは
    ツインギターソロ2本

 【キーボード関連】

  • ピアノ
  • ストリングス
  • ブラス
  • キーボードソロ

 

 

 【ヴォーカル関連】

  • ヴォーカル
  • コーラス1~2本

 

 【管楽器】

  • トランペット
  • サックス
  • ・・・・・・


1.2 たとえ打込みでも

  • 打込み(MIDI)は便利だが、トラックが増えることは、やはり調整の手間を増やす。
    ただしドラムには注意。ドラムという楽器はいくつものパーツの集まり。
    パーツごとにトラックに分けて整理する方が調整しやすい。
    1. シンバル(LRで2トラック)
    2. ハイハット
    3. キック
    4. スネア
    5. タム(LRで2トラック)
  • エンジニアにとっては、「生演奏者」を「演奏ミスのない打込み」に変えただけ。
    • 音録りの人件費が、「演奏者とRec.エンジニア」から「DAWを扱えるクリエーター」へ移動。
    • 労力や質が変わる。
    • 制作の流れ(手順)が変わる。
  • エンジニアがミックスすることに変わりなし。
  • 綺麗な音でも、あれもこれもと増えれば聴こえづらくなる。結局、生録のデータと同じで、音質、音量の調整が必要。
  • オーディオ化(アナログバウンス)せず、MIDIデータで渡されると、当スタジオで、代りの音源を選び直しとなり、音色の再確認・調整が必要。

2.定 位

  • 定位とは、音をスピーカーのどの辺りから出すか指定すること。パンニングも同じ意味。
  • スピーカーは通常、左右で2つ。
  • パートそれぞれについて、スピーカーの左右音量配分を調整し、中央、左寄り、右寄りのいづれかから聴こえるようにする。
  • 定位を調整することで、各パートが横並びに展開されたように聴こえる。

2.1 ドラム

  • 一般にキック、スネアは、センターに定位。
    それ以外のトラックは、客席から見た配置、またはドラマーとして自分から見た配置に定位。
  • なお、DAWの打込みでドラムのトラックを作る場合、できるだけパーツ別にバラしてトラックを設ける。

2.2 メインのパート

  • ヴォーカルはツインヴォーカルでもない限り、中央に定位。
  • リード楽器も中央で良いが、同時にヴォーカルの音が出ているなら、中央から、少し左右どちらかにすらして定位。
  • 低音が出るベースは基本中央。

2.3 その他のパート

  • ピアノ、ストリングス、ブラス、パッド、ギターなどをモノラルで録った場合、
    • それぞれ左右のどちらかに 定位させる。その反対側にバランスを取るためのペアとなるパートを定位させる。
    • 左右のパートがバランスよく演奏していないと(聴こえないと)、人間は気持ち悪く感じるかもしれない。
  • コーラスも左右どちらかにすらして定位。